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準備
シリーズAの準備はシードラウンド終了後すぐに始めることをお勧めします。シリーズAとシードラウンドでは4つの点において大きな違いがあるため、シリーズA資金調達ではさらに多くの時間と労力が必要となります:
- シードラウンドは主にストーリーと創業者に基づくものであるのに対し、シリーズAでは(通常)Product/Market Fitの初期指標としてメトリックが必要となります。
- シリーズAでは異なる種類の投資家から資金を調達します。シリーズAでは投資家がかなり少なく、(投資を業務とする)機関VCであるのが一般的です。シリーズA投資家は投資前のかなり入念なデューディリジェンスプロセスおよび創業者との事前のリレーションシップ構築を求めてきます。
- シリーズAでは取締役の地位および(平均して)最大のオーナーシップという形での支配権の移譲が必要となります。シード投資家はエクイティを保有しますが、創業者の意思決定に対する支配権は、ほとんどありません。一方、シリーズA投資家は企業の存続期間中は創業者の意思決定に対して意見を述べる権利を有しています。これは、シリーズA投資家は資金だけでなく時間を投資していることも意味します。彼らは今後10年間、創業者である皆さんおよび皆さんの企業に、人生のかなりの時間を費やそうと決意をしているわけです。これにより投資家の個々の投資への関与の度合いが高まりますが、これはシリーズAをリードしていくには、より強い信念と努力が必要となることを意味しています。特にその傾向が強いのは、実施可能なシリーズAの回数に限度があるためです。時間的制約があることは、各パートナーが年間にリードできるシリーズAは1~3回となること、さらには投資家が創業者との対話が気に入らなかった場合、(トラクションが抜群な場合を除き)契約締結に至らない可能性が高いことも意味します。
- シリーズAではリード投資家を確保するのが一般的です。通常、シリーズAの成否は多くの投資家からの少額のコミットメントではなく、少なくとも1人の投資家から多額のコミットメントを確保できるかにかかっています。これにより、資金調達の力学が変わってきます。シードラウンドでは、資金調達に弾みをつけるものとして有益なのは少額の小切手です。ラウンドの余地が少ないほど、資本提供のコミットメントに関するプレッシャーは大きくなります。シリーズAではそうした少額のコミットメントはあまり有効ではありません。例外として、シンジケートラウンドの実施に使用される場合が挙げられますが、これはかなり稀で扱いにくいケースと言えます。
本セクションでは、シリーズAに向けてどのような準備をするべきかを説明しています。まず、シリーズA資金調達に関する考え方の背後にある戦略について紹介し、最後に段階ごとの戦術ガイドを掲載し、次にとるべき具体的なステップを紹介しています。ここで紹介しているトピックは以下の通りです:
- シリーズAの流れ。企業と投資家のシリーズAに向けた異なる過程の分析。
- 資金調達の時期。シリーズA資金調達に最適な時期の見極め方。
- 先行オファー。プロセス管理の準備が整う前にタームシートオファーを受領した際にするべきこと。
- 下準備。以下にフォーカスした投資家向けピッチ準備のための戦術ガイド:
- ストーリー:自社が大きな成長を遂げる理由に関するストーリーの組み立て方
- リレーションシップ:資金調達の前段階における、投資家との強固なリレーションシップの築き方
- メトリック:フォーカスするべき数値および自社の業績指標とするべきベンチマーク
- ラウンドの規模:資金調達額(ひいてはバリュエーション金額)の決定
次のセクション:
シリーズAの流れ
本コンテンツは Y Combinator の許可を得て FoundX が翻訳しています。
翻訳元: Y Combinator Series A Guide