ストーリー

ストーリー

私たちはデモデーでのピッチの準備をするYCカンパニーに対して、優れたストーリーの作り方を理解するよう、繰り返し伝えています。本件に関するPaul Grahamのアドバイスは、繰り返し紹介する価値があります。ここではシリーズAの背景に沿うように手を入れています:

投資家が、シリーズA資金調達を検討している全ての企業をフォローすることは不可能です。そのため、各々のミーティングにおける投資家の最優先事項は、候補者をふるい落とすことになります。つまり、2回目のミーティングを持たなくても良いと思う企業を全てリストから削除することです。創業者の目標―唯一の目標―は、「この企業をリストから削除するのは得策ではない」と思わせることにあります。そして、人に何かが「得策ではない」と思わせるのに効果的な方法があります。大げさに聞こえるかもしれませんが、それは投資家を「怖がらせる」ことです。

では、投資家を怖がらせることとは何でしょうか?それは、皆さんの企業が大きな成長を遂げる可能性です。投資家は、大きく成長する可能性がある企業はほんの一握りであることを知っています。そして、次のポイントはほとんどの人にとって驚きであると共にベンチャービジネスを理解するうえで最も重要でもあるため、パラグラフを分けて説明します:

大きな成長を遂げる一握りの企業が、全ての儲けを生み出す。

投資家にとって、そうした企業をリストから削除してしまうことは勝負に負けることを意味します。つまり、投資家はそれを自覚しているか否かを問わず、「大きな成長を遂げる企業を除く、可能な限り多くの企業をリストから削除する」ゲームに参加しているわけです。

シリーズAにおけるピッチの目標は全て、「リストから削除されないこと」であるため、そして投資家は大きな成長を遂げる可能性がある企業は安心して削除できないため、シリーズAにおけるピッチの目標は全て「この企業は大きな成長を遂げる可能性がある」と投資家を納得させることになります。

投資家との面談を始める前に、資金調達の骨子となるストーリーのドラフトを作成します。これは、「なぜ自社が大きな成長を遂げることができるのか」に関するストーリーを含む3~4つのポイントで構成します。それを聞いた投資家が、そのうちのいずれかに信憑性を見出した場合、皆さんの企業に賭けてみようという気になるでしょう。

自分が作ったストーリーが投資家を「怖がらせる」ものかどうか判断するための最善の方法は、投資家に直接試してみることです。6~12ヵ月前に準定期的に行う投資家とのミーティングは、自分のストーリーの中で最も説得力ある部分はどこか、投資家を興奮させる部分はどこか、最も難解な質問を引き出す部分はどこか、投資家の記憶に最も残った部分はどこかを理解する機会となります。投資家との会話からフィードバックを見出し、時間をかけて自社のビジネスに関するストーリーテリングの手法に磨きをかけてください。

一連の作業をするにあたり、「自社ビジネスの実態」と「自社ビジネスをどのようなストーリーとして伝えるか」には重要な違いがあることを心に留めておいてください。投資家との会話は、前者ではなく後者に影響を与えるべきものです。自社ビジネスについて、創業者と同じレベルで理解している投資家は存在しません。

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リレーションシップ

本コンテンツは Y Combinator の許可を得て FoundX が翻訳しています。
翻訳元: Y Combinator Series A Guide

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