ベンチマーク
自社がシリーズA資金調達をする時期であるという確信を持つのは困難ですが、一連の比較用ベンチマークがあれば、「まだ早い」という判断をする際に役立ちます。そこで私たちは、過去5年間にYCカンパニーが実施したシリーズA資金調達から、ビジネスモデル特有の一連のベンチマークを集めました。繰り返しますが、これらは指針であり、自社がシリーズA資金調達をするべきかどうかを決める確実な指標ではありません。シリーズA資金調達のプロセスは企業によって異なることを示すために、これらのベンチマークには意図的に幅を持たせています。さらに、これらの数値は資金調達を行った企業のストーリーにまつわる背景や、投資家とのリレーションシップを示すものでもありません。優れたストーリーを伝えるのに苦戦している創業者は、よりインパクトのある数値でそれを補う必要がありますし、逆もまた然りです。興味深いことに、優れた数値を持っていながらストーリーがない創業者よりも、数値の裏付けがない優れたストーリーテラーのほうが楽に資金調達をしていることが判明しています。
自社と似ている(と自分が思っている)企業がシリーズA資金調達に成功したというニュースをもとに、「自社も同様のタイミングで資金調達をするべきだ」といった判断を正当化するようなことをしないでください。状況の詳細(製品およびビジネスモデル、資金調達時のメトリック、契約条件など)に関するインサイダー情報がない限り、正確な比較をすることは基本的に不可能です。50万ドルのランレートで資金調達を行ったB2B SaaS企業は、おそらく極めて高い成長率または非常に魅力的なストーリーを持っていたか、価格を引き下げて、より高リスクの投資であることを補ったのかもしれません。こうしたニュアンスはTechCrunchの記事やプレスリリースからは見えてこないのが一般的です。
B2B SaaS(サービスとしてのソフトウェア)
36社ベース
- コアメトリック:ランレート50~500万ドル
- 成長:前年比300%以上
- ラウンド規模:400~1,500万ドル
- 希釈化:13~38%
- ポストマネー:1,500~7,500万ドル
利用ベース/B2B
11社ベース
- コアメトリック:ARR 130~610万ドル
- 成長:前年比300%以上
- ラウンド規模:500~1,000万ドル
- 希釈化:13~27%
- ポストマネー:2,000~8,000万ドル
マーケットプレイス
6社ベース
- コアメトリック:GMV 480~6,320万ドル
- 成長:前月比20%以上
- ラウンド規模:500~1,200万ドル
- 希釈化:20~32%
- ポストマネー:1,500~6,000万ドル
ムーンショット/ハードテック
28社ベース
- コアメトリック:企業により異なる
- 成長:N/A
- ラウンド規模:800~4,300万ドル
- 希釈化:15~54%
- ポストマネー:2,400~24,000万ドル
コンシューマー(トランザクション)
16社ベース
- コアメトリック:ランレート350~960万ドル
- 成長:前月比20%以上
- ラウンド規模:400~1,500万ドル
- 希釈化:9~33%
- ポストマネー:1,500~10,700万ドル
コンシューマー(サブスクリプション)
4社ベース
- コアメトリック:ランレート150~680万ドル
- 成長:前月比20%以上
- ラウンド規模:500~1,000万ドル
- 希釈化:17~28%
- ポストマネー:3,000~4,300万ドル
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トレンドの重要性
本コンテンツは Y Combinator の許可を得て FoundX が翻訳しています。
翻訳元: Y Combinator Series A Guide