資金調達開始時
ピッチ
投資家からのフィードバックを基にピッチの練習を繰り返します。投資家との面談を重ねると、自分のピッチの中で「聞いた人が最も懐疑的に感じる部分」と「最も興味を示す部分」が見えてきます。また、回答を用意できていない質問や対処するべき懸念事項もわかってきます。得られたフィードバックを全て精査し、自分のピッチをより良いものとするための時間を、毎日必ず作りましょう。データを分析し、よく聞かれる質問に対応する情報を載せたスライドを補足資料に追加します。そして、ストーリーの中で最も共感を呼ぶ部分にフォーカスします。
緊張感を作る
資金調達の状況に応じた適度な量の情報を各投資家に与えることで、緊張感を維持すると共に、当該プロセスにおける彼らの前進を促すようにします。ここではフォローアップの方法が重要です。皆さんに興味を持った投資家は、皆さんとのミーティングから24~48時間以内に連絡をしてくるでしょう。投資家からの回答がない場合は、良い反応を得られるまで躊躇せずフォローアップに動いて構いませんが、以下の原則を忘れないでください:世の中には、「切羽詰まった時にしてしまうこと」と「忙しい時にすること」が存在します。相手には、必死さではなく忙しさを感じさせるようにしましょう。
慎重な情報共有
デューディリジェンスのために投資家に秘密情報をある程度提供することは、一般的に問題ありません。しかし、専有情報(例:あなたの会社や製品の複製、または顧客の引き抜きに利用可能な秘密)の共有は避けるべきです。ここでは、情報のリクエストを通じてどのような疑問に答えようとしているのか、投資家に尋ねるのが賢い戦略と言えます。この手法は、(1)投資家の質問に、より効率的に回答する方法を把握し、(2)その投資家が興味のあるふりをしている(さらに悪い場合は、競合他社のサポートまたは競合ディールの評価を目的とした情報収集をしている)だけなのかを見抜くのに役立ちます。投資家は皆、興味を持っているような姿勢を見せますが、ディールに心から興味を持っている投資家は全体の4分の1程度です。雑音に惑わされず、心から興味を持ってくれている投資家を見極め、そうした投資家と付き合うようにしていくのが皆さんの仕事です。
必要に応じた反復
時には、全ての投資家からパスされたり、投資家からの連絡が途絶えたりすることもあります。絶対に資金調達を継続すると決めている場合は、別の投資家を探します。紹介をしてもらったり、先方とのミーティングを設定したりして、必要に応じて何度でもプロセスを反復します。
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タームシート&クロージング
本コンテンツは Y Combinator の許可を得て FoundX が翻訳しています。
翻訳元: Y Combinator Series A Guide