既存投資家との意思疎通

シリーズ A ガイド

既存投資家との意思疎通

既存投資家と意思疎通しておくことは重要です。これは、やり方次第で資金調達の助けとも妨害ともなり得ます。これらのリレーションシップを管理する方法は、相手にしている投資家のタイプによって異なります。

シリーズAファンド

これはシリーズAのリード投資家となる可能性がある内部の投資家で、機関ベンチャーキャピタルファンドであるのが一般的です。資金調達について彼らと話をする方法は、自分がどのような成果を望んでいるかによって変わります。彼らにシリーズAのリード投資家となってもらいたい場合:皆さんのパートナーがシリーズAのリード投資家となることを望んでいる場合は、創業者から依頼する機会が訪れるより前に、先方からその点について明言してくる可能性が高いでしょう。パートナーからオファーはないけれども、リード投資家になってほしい場合は、以下のように相手に依頼する必要があります:

「私は、あなたと仕事ができることがとても幸せです。あなたのくださったあらゆるサポート、そして私たちがこれまで築いてきた関係に感謝しています。当社は資金調達の時期が来たと認識していますが、一連のプロセスを経ることなく、あなたにリード投資家となっていただけたら最高だと思っているのですが、いかがでしょうか?」

パートナーから好条件のタームシートを受領できた場合は、それを受諾するか、あるいは親しい関係にあり自社を熟知している一部の投資家とプロセスの簡略化を図るかのいずれかとなります。しかし、条件的に悪いタームシートを受領した場合は、交渉(「あなたにパートナーとなっていただきたいのですが、そのために自社に損害を与えることはできません」と伝えるなど)および/またはフルプロセスの準備をすることができます。この段階における対応の詳細は、「先行オファー」セクションを参照ください。

投資家にシリーズAのリード投資家となってほしくない場合、あるいは投資家がそれを辞退してきた場合大きな問題を回避するための文書に合意してください。以下は合理的な文書の一例です:「オーナーシップに関する自身の目標を達成した投資家Aは、自身のPro-Rata権を行使し今後もサポートを続けるが、我々はXYZに関する資質を有するパートナーが必要と考える。そのため、異なるリード投資家が求められる」。事実であれば、「あなたからオファーの申し入れがあったとしても、受けることはできなかったでしょう」と言うこともできます。

皆さんのシリーズAをリードする可能性がありながら、しなかった投資家からは新規投資家の紹介は受けないでください。繰り返しになりますが、皆さんのシリーズAをリードしたい投資家は、自分から競合相手に皆さんを紹介しないでしょう。そのため、こうした紹介をする投資家は皆さんに投資する意思がなく、良くない兆候であると理解してください。

エンジェル投資家

これは、シリーズAのリード投資家にはなれないが、創業者をサポートしたいと考えている内部の投資家です。優れたエンジェル投資家は、シリーズAに最適なパートナーの特定や紹介をしてくれるだけでなく、資金調達プロセス中にも創業者を擁護してくれます。高い評判とネットワークを持ち、過去に非常に大きな助けとなってくれて今後も自分を保証してくれる数人のエンジェル投資家を選び、投資家への直接紹介や継続的なデューディリジェンスを裏で支えてくれる存在として活用してください。例えば、あなたが面談する人物や、その相手がミーティング中に最も興味を示した点に関する情報を常に共有することで、エンジェル投資家は自分がその投資家と会話をする際にフォーカスするべき点を把握することができます。

初期に資金を提供してくれた投資家は、他の投資家よりも早く皆さんに賭けてくれた人たちです。そのため、Pro-Rata権を有し行使を望むエンジェル投資家に対しては、彼らのための余地を残し、きちんと約束を守ることが重要です。シリーズAのリード投資家を確保したら、どの既存投資家がPro-Rata権行使を望んでいるか確認する必要があります。ラウンドが応募多数の場合は正確な金額を交渉する必要があるかもしれませんが、一般原則としては約束を守ることが重要です。

既存投資家について尋ねられた場合、一般的には「当社の既存投資家はPro-Rata権を有しており、我々もその約束は守りたいと思っていますが、リード投資家のための余地があることを確認する必要があるため、それ以上の話はしていません」といった答え方をするのが良いでしょう。この時、当該ラウンドのリード投資家となっていない内部のシリーズA投資家と文書で合意しておくことが重要です。

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本コンテンツは Y Combinator の許可を得て FoundX が翻訳しています。
翻訳元: Y Combinator Series A Guide