資金調達の6~12ヵ月前

シリーズ A ガイド

資金調達の 612 ヵ月前

 

自社メトリクスの把握

シリーズAの目標に向けた進捗を設定・追跡します。YCが用意した業種別主要メトリックに関する表を参照して、進捗測定に使用するべきメトリックを決め、同じくYCが用意した一連の比較用ベンチマークを参照して、目指すべき最低レベルを把握します。見た人に強い印象を与えるトレンドを示すためにも、十分なデータを揃えることが重要です。

追跡する数字は詳細かつ整合的である必要があります。整合性は当該ビジネスにおける予測可能性のレベルを示すことができ、投資家はそのトレンドを信頼することができます。詳細さは各数値が意味することを明確にし、投資家はその数値を信頼することができます。自社のメトリックを深く理解することが重要です。

ストーリーのドラフト作成

資金調達の骨子となるストーリーのドラフトを作成します。これは、「なぜ自社が大きな成長を遂げることができるのか」に関するストーリーを含む3~4つのポイントで構成します。それを聞いた投資家が、そのうちのいずれかに信憑性を見出した場合、皆さんの企業に賭けてみようという気になるでしょう。投資家とのコーヒー・ミーティングなどで自分のストーリーを試しに披露してみましょう。そして、相手との会話からフィードバックを見出し、時間をかけて自社のビジネスに関するストーリーテリングの手法に磨きをかけていきましょう。

投資家とのリレーションシップ構築

シリーズA投資家候補をリストアップして相手と直接コンタクトを取り、実際にパートナーとして仕事をしたいグループが見つかるまでミーティングを重ねます。こうしたミーティングは、投資家が完全に意思決定評価をするまでの情報を与えることはなく、しかしながら投資家に強い印象を与え、興味を持ってもらうものでなくてはなりません。投資家とのリレーションシップはCRMを活用して経過を追うことをお勧めします。

投資家が先行オファーを出していると思える場合

先行オファーとは、創業者がシリーズA資金調達における通常のステップを踏まずに、投資家から創業者に提出されるタームシートのことです。この場合、創業者は通常、投資家向けマテリアルの作成やパートナーに対するピッチ、一般的なディリジェンスプロセスを行う必要はありません。

先行オファーは既に付き合いがある投資家から出されるのが一般的です。投資家が先行オファーを行うのは、他の投資家より先に資金提供する意思を提示することで契約締結を勝ち取りたいからです。しかし、先行オファーが行われることは少なく、2018~19年にかけてYCカンパニーが資金を調達したシリーズAのうち先行オファーが行われたのは全体のわずか12%程度でした。

投資家がそれと明記することなくオファーであるかのように創業者に思わせるケースもあります。この場合、投資家の時間軸での1対1の資金調達プロセスが始まります。契約条件を概説した実際のタームシートを創業者が受領していない限り、これは先行オファーとは言えません。タームシートを受領している場合は、「先行オファー」のセクションを参照して次にするべきことを確認してください。

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本コンテンツは Y Combinator の許可を得て FoundX が翻訳しています。
翻訳元: Y Combinator Series A Guide