法務

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弁護士との契約

シリーズAに関して豊富な経験を持つ弁護士と契約することをお勧めします。契約時期は、タームシート受領が予想される時期の少なくとも数週間前(そうでない場合は、タームシートの最初のドラフト受領直後)が理想的です。弁護士を見つける最善の方法は、シリーズAを終えた他の創業者から推薦してもらうことです。以下に、多くのYCカンパニーとシリーズA資金調達の仕事をした経験がある弁護士数名を紹介します:

保険の契約

シリーズAの書類では、一般的に創業者が会社のためにかなりの額の保険に加入することを求められていることに気づきました。彼らが必要とするものとそれにかかる費用を把握するのは大変なことです。私たちは以下の人たちに創業者を紹介しています。

資本政策表の理解およびシリーズAによる変化のシミュレーション

シリーズA資金調達に伴う希釈化の管理について、私たちから創業者にたった1つのアドバイスができるとしたら、それは高いバリュエーションを獲得するための交渉のコツなどとは全く関係のないものでしょう。創業者が行える最も重要なことは、時間をかけて資本政策表を理解すること、そして、既存のSAFEおよび転換社債、シリーズAで調達される資金およびオプションプールの増加が資本政策表に及ぼす影響を理解することです。

一般に、SAFEや社債、オプションプールの希釈効果はシリーズAバリュエーションや投資ラウンドの条項と相互依存関係にあります。これは、SAFEや社債の転換条件はシリーズAバリュエーションの影響を受けると共に、オプションプールはシリーズA後の資本政策表の比率に固定されているからです(例:シリーズA後の資本政策表の10%)。ここで問題となるのが、バリュエーションやラウンド規模はSAFEおよび社債転換時の計算だけでなくオプションプール計算に使用される情報であるため、タームシート受領前に資本政策表がどうなるかについて、正確な計算ができない可能性があることです。

しかし、バリュエーションおよびラウンド規模がSAFEおよび社債転換、オプションプール、最終的な資本政策表に及ぼす様々な影響をシミュレーションすることは可能で、創業者は結果についてレンジを持って理解できるようになっておく必要があります。

こうした計算は、captable.ioAngelcalc.com、Carta、Excelなどのツールで可能です。不安がある場合は弁護士に相談してください。資本政策表の数字はディール締結後の変更が非常に困難な数少ないものの1つです。そのため、早くから時間を費やして計算をしておくことは、いずれシリーズAプロセスの最も重要なアウトプットの1つ―自社の株式保有レベル―に関して大きなメリットをもたらすでしょう。

一般的に必要となるタームシート後デューディリジェンス文書の作成

以下はシリーズAにおける法務デューディリジェンスのチェックリストで、タームシート署名後すぐに必要となるあらゆる情報を網羅しています。タームシート署名のに全ての情報を1ヵ所―データルーム―にまとめておけば、クロージングプロセスで1週間程度を節約することができます。多くの創業者が理解していないのは、シリーズAのクロージングには1ヵ月以上かかる場合もあり、その大半は弁護士に提出する文書を探すことに費やされている、ということです。

企業登記および定款書類

  1. 取締役会および株主総会の全議事録ならびに全ての取締役および株主の同意書。
  2. 企業設立許可書、任命証書/権利証書等および定款。
  3. 自社および子会社(ある場合)に関する同様の情報。
  4. 企業組織図(親会社または子会社がある場合)。

事業計画および財務

  1. 現在の事業計画および財務予測。
  2. 直近の財務諸表。

知的財産権

  1. 適切な政府機関に対する出願または登録書面を含む自社の商標、特許、著作権およびドメイン名(またはその適用例)のリスト。
  2. 上記のいずれかが自社に譲渡されている場合は、その旨を明記ならびに適切な政府機関に譲渡および記録書面を提出のこと。

証券発行および証券に関する合意書

  1. 発効日および最初の発行価額を含む自社の株主のリスト。
  2. 付与日および行使価格を含む自社のオプション保有者のリスト。
  3. 未行使オプション、ワラント、権利(転換権または新株引受権を含む)に関する合意書または自社の証券の購入もしくは取得に関する合意書および自社の過去の株式発行に関する合意書のコピー。
  4. 自社の証券の登録権または自社の株主間もしくは自社と株主間の合意内容を証明する文書。
  5. ベスティングが設定されている株式またはオプションのベスティングのスケジュールの概要(ベスティングの加速を含む)。
  6. 議決権行使および制限株式の譲渡に関する合意書。
  7. 自社の証券の発行または譲渡に関する該当する連邦(規則701を含む)および州のブルー・スカイ法(証券取引法)に基づく適格性または免除の証明。

重要な契約

  1. 自社の標準的な顧客向けサービス規約/利用規約。
  2. 自社が当事者となっている、または25,000ドルを超える自社の支払義務または受領を伴って自社が拘束されている合意、同意、文書、契約または取引提案。
  3. 動産リース。
  4. 不動産の購入、リースまたはサブリースに関する契約。
  5. 自社の金銭債務またはその他の債務を証明する文書。
  6. 自社の財産または資産に関する抵当権、先取特権、融資および負担を証明する文書。
  7. 自社が行った貸付または前渡しを証明する文書。
  8. 従業員の秘密および占有情報保持契約を含む、あらゆる種類の自社または他社の特許、著作権、営業秘密もしくはその他の所有権、専有情報または技術に関するライセンスまたは契約。
  9. 自社が締結中または自社が受取人となっている保険契約およびかかる保険契約の概要(可能な場合)。
  10. 自社が拘束されている、または当事者となっている判決、命令、法令または布告。
  11. 自社が使用している標準的な契約フォーム。
  12. 合弁およびパートナーシップ契約。
  13. マネジメント、サービスおよびマーケティング契約。
  14. 秘密保持および守秘義務契約。
  15. 資金調達に関して同意または承認を必要とする契約。
  16. コンサルティング契約。
  17. 自社ビジネスにとってまたは通常業務以外で重要なその他の契約。
  18. 役員および取締役のリスト。自社に非常勤役員がいる場合はその旨を記載のこと。

紛争および潜在的訴訟に関する情報

  1. (i)その過去または現在の雇用、またはテクノロジーの利用に関連して自社従業員が関わっているもの、および(ii)政府機関または規制当局が実施またはそれらに対して行われているものを含むがこれらに限定されない係属中またはそのおそれがある裁判、訴訟、訴訟手続き、または調査に関する通信または文書。
  2. 自社が他者の財産権を侵害しているという申立てに関する通信または文書。
  3. 労働協約または労働行動、組合代表、ストライキまたはその他の労使紛争に関する通信または文書。

従業員および福利厚生に関する情報

  1. 役職、基本給、目標ボーナス(該当する場合)、歩合制度(該当する場合)、等級(従業員の場合、労働基準法適用対象か否かを含む)および居住州を含む自社従業員およびコンサルタントのリスト。
  2. 自社の標準的な内定通知フォーム。
  3. 退職手当またはベスティング加速に関する条項を含む雇用契約および内定通知を含むがこれらに限定されない自社とその役員、取締役、関連企業またはその関連企業間の合意、同意または取引提案。
  4. 経営権の移動を条件として手当を提供する制度、契約または協定。
  5. 退職手当または繰延報酬制度(書面または口頭を問わない、従業員またはコンサルタントとの給与繰延制度を含む)。
  6. ストックオプション制度、401(k)制度、年金制度および保険制度を含むがこれらに限定されない従業員福利制度。
  7. ストックオプション制度に関連して使用される契約フォーム(オプション契約、行使通知および制限株式購入契約など)。
  8. 自社が401(k)制度に資金を拠出している場合は、決定書または意見書および過去3年間に提出したフォーム5500。
  9. 自社がその従業員、取締役またはコンサルタントに対して行った融資に関する全ての文書またはその他の情報。
  10. 自社の従業員ハンドブック。
  11. 自社に外国人従業員がいる場合は、それらの外国人従業員に提供される全ての手当を別途まとめた(国別)リスト。

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シリーズAのプロセス

本コンテンツは Y Combinator の許可を得て FoundX が翻訳しています。
翻訳元: Y Combinator Series A Guide

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