特殊なケース

特殊なケース

ハードテック&バイオテック企業の創業者の場合

皆さんがハードテック企業またはバイオテック企業の創業者の場合は、ベンチャーキャピタルからの資金調達において異なる経験をする可能性があります。つまり、より少数のファンドにピッチを行い、より厳格なデューディリジェンスを経て、おそらくはさらなる希釈化を受け入れる必要があります。特にハードテック企業の場合、シリーズBおよびCは、一般的に最も困難な資金調達ラウンドとなります。シリーズAが高価格であった場合、シリーズBおよびCではさらなる高価格が求められることを考慮し、将来のラウンドでの資金調達をより簡単にするためにも、シリーズAでは最高価格にするための最適化を行わないことを強くお勧めします。

こうした創業者が遭遇する可能性があるもう1つの特殊な問題は、その業界について学ぶために創業者を利用する投資家です。実際には自分への投資に興味がない可能性がある人の教育に時間を費やしていると思うと、腹立たしいかもしれませんが、ここでイライラしないでください。創業者にとって、これは自分の業界に関する専門知識を蓄える機会であり、そもそもそれが、投資家に「この創業者に投資しなくては」思わせる機会となります。皆さんとディールを締結する相手は、皆さんの業界に精通している人である可能性が高いですが、これはセールスを続けるための絶好の機会ともなり得ます。大半のVCは知的好奇心が強く、興味深いことについて学ぶのに夢中になるものです。

とはいえ、自分は利用されているかもしれないと疑っている創業者には、本気で投資を考えている人が持っている兆候を探すようアドバイスします:本気で投資を考えている投資家は、優秀で、深い興味を持っていて、ミーティングの度に、皆さんの助けなしに知識を深めています。これは、彼らが独自で学ぶために多くの労力を費やしていることを示唆しています。反対に、投資家から情報を搾り取られるような感じがする場合は、相手と少し距離を置くと良いでしょう。

バイオテック企業(限定)の創業者の場合

分野に特化したカンファレンスは投資家を見つける絶好の機会です。カンファレンスでのデータ提示(特許出願後であること!)は、複数の投資家やパートナー候補に同時にアプローチできるだけでなく、創業者の信頼性を高める機会ともなります。ここには大手(および中小)のあらゆる製薬会社の代表者だけでなく、その分野における多くの一流投資家も集まってきます。この場をそれらのファンドに接触する機会として活用してください。創業者は、自社が活動する分野において今後2年間に開催される主なカンファレンス全てを把握し、参加予定のカンファレンスでいかに情報をリリースするかを各カンファレンスの少なくとも6~12ヵ月前に計画しておく必要があります。そのため、どのようなストーリーを説明できるようになっている必要があるか、どこでそれを説明するかに関するロードマップを作成しておくと役立つかもしれません。ここでは、自社の変曲点、つまり自社のレバレッジが最大化する時期を明確化し、その時間軸におけるデータリリース/資金調達を計画しておくことが重要となります。

非バイオテック系の同僚よりも早く考えておく必要があるかもしれないもう1つのポイントは、経験豊富なバイオまたは製薬業界の人材を採用する時期/方法です。臨床的変曲点がない場合、優秀な人材の勧誘能力はそのスタートアップ企業のコアテーマに関するリスクを減少させるものとみなされ、別の価値を示す役割を果たします。こうした採用に対して世間は、「あの領域の専門家たちがこのスタートアップ企業に入社したのは、彼らが(1)デューディリジェンスを実施し、(2)自分の投資(時間)に対するリターンが、このまま[有名企業]にいるよりも大きくなると期待したからだ」と考えます。これらは全て、皆さんの企業をバイオテックVCにとって、より魅力的なものにするのに役立ちます。彼らは、皆さんの企業に現存するチーム、そして投資家が現在のチームに足りないと感じている可能性があるリソースを採用または補充する計画や時期の両方について知りたがるでしょう。

海外在住の創業者の場合

海外在住の創業者は、資金調達を行う市場を母国にするか、米国にするか、という問題に直面します。その答えは、母国の機関VC環境の成熟度によって変わってきます。

例えば、インドや中国には巨大なVCコミュニティが存在します。これらの国では、地元の投資家から資金調達するのが理に適っている可能性が高いです。特にインドの創業者に関して言えるのは、米国のVCの大半はインドにオフィスを持っており、インドの現地オフィスに分担を任せている、ということです。さらに、地元の投資家は各自の市場でネットワークや知識バンクを持っている傾向があり、創業者にとって、より頼りになる可能性があります。

しかし、ベンチャーキャピタルが存在しない、または当該国内ではまだ十分に発展していない場合は、米国の投資家から資金調達するのが妥当です。この場合、資金調達期間中は必ず米国に滞在していられるようにする必要がある点を心に留めておいてください。

次のセクション:
クロージング

本コンテンツは Y Combinator の許可を得て FoundX が翻訳しています。
翻訳元: Y Combinator Series A Guide

ajax-loader